「お母さんと一緒に食べる!焼き芋!」六心会令和版寺子屋

 新型コロナウイルス対策の小中学校一斉休校を受けて、六心会でも、急遽「子ども同伴出勤」を開始した。
 題して「六心会 令和版・寺子屋」。親の就労先とは言え、なじみのない場所、知らない同士、きっと緊張もするだろう。せっかくならば、子どもも親も安心して、そして何か得るものがあるようなことができないかと考えた。
 そこで、数日に1度の割合で体験型のプログラムを行っている。今まで行ったのは「畑での冬野菜の収穫」「焼き芋大会」「消火訓練」など。
 大根とホウレン草の取り入れは、予想に反してあまりの手際の良さに職員の方が驚かされた。「どうやって食べるの?」とそこから興味も膨らんだ様子。
 焼き芋は上手く焼けるよう、ああでもないこうでもないと、大人も子どもも一緒になって大奮闘。焼けたお芋を「お母さんと一緒に食べる!」と大事そうに抱える姿も見られた。
 消火訓練は、消火のシステムを学んでからの実践で、初めて扱う水消火器に真剣そのもので無事に鎮火に成功した。
 このプログラムを通して感じることは、子どもたちの力である。知らないもの同士、何と自然に会話し仲良くなるんだろう!何と早く工夫の仕方を思いつくんだろう!
 このしなやかさと豊かさに触れて、職員の方が救われるような気持ちになる。まだまだ先が見えない中で、私たちを次へと進ませるものは彼らから得た勇気かも知れない。

ここちの郷 副施設長

愛須 和美