社会福祉法人六心会は、1994年の事業創設以降、長きにわたり「その人らしい普通の暮らしをいつまでも大切に」という思いのもと、利用される方やご家族、地域の満足を高めるため、介護サービスの質向上、それを担保する良質な人材の育成などに取り組んできました。そしていま、人口減少や少子高齢化の急激な進展という社会の大きな変化に私たちは直面しています。また、新型コロナウイルスの世界的パンデミックの長期化も私たちの暮らしに大きな影響を与えました。とりわけ、地域社会で培われてきた繋がりや交流、支え合う機会が減少し、社会に内在していた孤独・孤立の問題が確実に顕在化・深刻化しています。このように地域生活課題が複合化・複雑化していく中で、私たち社会福祉法人が地域の中で果たしていく役割や期待が以前よりも高まっていると実感しています。地域を面としてとらえ、安心・安全で暮らしやすく相互に見守り支え合う地域づくりを担う役割です。法人として施設のなかだけで活動を完結するのではなく、地域に出ていき、あるいは地域をつくり出すパワーで思いを広く深く拡散させていく。そのステージは豊かなクリエイティビティのもと、介護の枠からも飛び出し、多様に広がっていくでしょう。市内の社会福祉法人がともに歩み出すネットワーク形成も始まっています。また、当会が2012年から参画している社会福祉法人グループ「リガーレ」においても、2022年5月「社会福祉連携推進法人」を設立し、経営基盤の強化と地域共生社会の実現へ再スタートいたしました。このように、福祉業界の未来はあらゆる可能性に満ちています。より柔軟にアクティブに、なんでもやってみたい、楽しんでやろうという好奇心と積極性を持った人、自らの専門性をさまざまな場で高めたい人は、どうか夢を持ってチャレンジしてください。活躍の場はひとつにとどまらず、創造的な展開を見せていくことになります。思いを共有できる人とともに歩み、これからの地域福祉を担う次世代へとバトンをつなぎたいと思っています。

社会福祉法人六心会 理事長

特別養護老人ホーム清水苑 施設長

堤 洋三