3年ぶり再開!地区の認知症行方不明者早期発見・保護訓練


10月30日(日)、3年ぶりに「五個荘地区認知症行方不明者早期発見・保護訓練」を実施した。
この訓練は、認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるまちづくりを目指し、平成20(2008)年に第1回が開催された。

新型コロナウイルスが感染拡大したこの2年は中止となったが、今秋ようやく再開にこぎつけた。 自治体、自治会連合会、地元医師会や地区社会福祉協議会、消防団や福祉関係者が「ごかしょう安心サポート委員会」という実施主体を組織し、実行委員会や事前研修を開催し、準備を進めてきた。

事前研修では、当会から職員が講師として出向き、「物忘れ」と「記憶障害」の違いなど寸劇も交え、「認知症」の基礎的理解と比較的多い対応例など住民の皆様と共に学んだ。
訓練当日は、当会から4名が行方不明者役、1名が記録係として参加した。

行方不明者役は、目立ちやすいオレンジ色のパーカーを着て、割り当てられた地区を約1時間歩く。

一方、自治会役員・消防団員等は発見者役として地域を歩き、行方不明者を保護する。


発見者役の第一声はなかなか難しいもの。「良いお天気ですね」、「どうされましたか?」、「今日はどこに行かれますか?」など、さりげない会話から、一刻も早く保護しようとの思いが伝わってくる。


目前に危険が迫る場合を除き、背後からの急な声掛けや接近は逆に危なく、本人を驚かせないように寄り添う気持ちをもってアプローチすることが大切である。 認知症高齢者が帰宅困難になったり、行方不明になったりすることは、報道でも度々目にし、身近に起こりえる重大事である。

また近年では、働き盛りの世代で発症する「若年性認知症」の症例も耳にする。今回の訓練では参加者の「我がこと」と捉える意識の高さを感じた。 こうした訓練を通した認知症への理解の深まりが、誰も排除しない地域づくり、高齢者のみならず誰もが互いのセーフティネットになれる地域作りへと繋がると感じた。

社会福祉法人六心会 ここちの郷 副施設長 愛須和美