中国人技能実習、みんなの成長

元日に発生した能登半島地震。多くの尊い命が失われました。心よりご冥福をお祈りいたします。また被災された全ての方へお見舞いを申し上げます。避難生活を余儀なくされている方々がまだまだおられる中、被災地支援として、私たち六心会としてもてできることを精一杯やり遂げて参ります。

さて、今回は成長が著しい中国からの技能実習生についてのレポートをお送りしたい。フィリピン人の技能実習生に続き、中国人技能実習生を迎え入れてから1年6か月が経とうとしている。

看護短大を卒業したばかりの2名が介護老人保健施設で実習を開始したが、「漢字」という共通ツールがあること、学んだ看護知識が実践で役立つこともあり、実習開始から高い能力を発揮してくれている。何より、「日本で介護を学びたい。」「介護福祉士の資格を取り将来に役立てたい。」という明確な意思が、実習を実り多いものにしているように思う。

「ご利用者様の言語外の気持ちを読み取る。」「個別の支援を考える」ことは、日本人職員でも容易なことではない。日本語を母国語としない実習生はより高いコミュニケーション能力を問われるが、ご利用者様から「〇ちゃん」と名前で呼ばれたり、「気ぃ付けて帰りや。」と声を掛けられている姿を見ると、何事にも真摯に取り組む姿勢がコミュニケーション力の向上に繋がっているようだ。

7月からは、新たに中国人第二期生4名を受け入れ、従来型の特別養護老人ホームと介護老人保健施設で実習を開始した。

従来型の特養では、初めての受け入れということもあり、受け入れる職員も緊張していたが、いざ開始してみると、育成方法は日本人職員と変わらないと分かり「着実に育てよう」と、きめ細やかに対応している。

老健では、実習生の先輩がいてくれることが心強い。実習を開始したばかりの実習生の日誌に、先輩から「着実に成長しているので心配しなくても大丈夫です。1年前は私も同じでした。」と、コメントが書かれていた時には、その思いやりと心遣いに感心した。

勿論、実習ばかりではなく、プライベートも充実させることが大切。生活相談員が、買い物や外出の支援をしているが、最近は日本人職員や実習生同士で出かけることも多い。行きたいところや食べたいものがたくさんあるようで、日本を満喫しようと意欲的だ。

先月、滋賀県と友好提携を結んでいる中国、湖南省の湖南医薬院から4名が視察に来訪された。介護保険制度や施設での介護について説明を行ったが、現場視察の際には、実習生4名がお会いした。視察団の方からは、実習内容や労務など具体的な質問も飛び、日本での技能実習制度に強い関心があることが伺えた。

実習生を迎えることは、準備や日々のフォローなども必要であるが、それ以上に得るものが大きい。フィリピン人実習生を受け入れている施設も同様だが、何より、法人全体に多様性や、そこから生まれるゆとり、柔軟性を生み出していると感じている。