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六心会では社会福祉法人グループ「リガーレ」に参画し、様々な壁や課題をを乗り越えようとしています。

今回はその報告書の第2弾、より踏み込んだ様々な試行を記録しています。


報告書は、こちらから。

本体編

資料編

社会福祉法人は、その9割が中小零細法人と言われており、これらの課題への取り組みに対しては共通した課題を抱えています。六心会では社会福祉法人グループ「リガーレ」に参画し、様々な壁や課題をを乗り越えようとしています。


 

中小の社会福祉法人を中心に複数の社会福祉法人が共同することにより、人材の成長・定着を図るための取り組みを行い、そのことで福祉現場のイメージ向上を図り、若者が目指す職場とすることを試行しています。今回はその歩みを記した報告書です。

 

報告書はこちらから

 

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F2F主催「FUKUSHI meets!」で感じたこと。

福祉業界に特化した就職フェア「FUKUSHI meets!」

(主催:Face to Fukushi)。

人材争奪が激化する中、福祉に特化することで他社就活フェアと差別化を図る、そのフェアに出展した。

六心会南出が参加リポートをお送りします。

 


 

3月14日(水)、15日(木)の2日間、Face to Fukushi(以下、F2F)主催就職フェア「FUKUSHI meets!」(グランフロント大阪)が開催された。2日目の3月15日(木)、リガーレグループとして出展してきた。リガーレがこの就職フェアに参加するのは、昨年に続き今回が2度目。

リガーレグループに4月から入職する内定者3名は「コンシェルジュ」という名の主催者スタッフとして参加。まだ、学生でもある彼らは当日来場した後輩たちに、1年前の自分を見たのだろう。不安そうな学生に、声をかけては何かと世話を焼く。なかなか楽しそうであった。

 

 

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コンシェルジュたち

 

 

学生が就職フェアのスタッフとしてフェアに関わる、これも、F2F就職フェアならではの特徴である。大学1・2回生の時から手伝いながら、3回生で就活参加して、気が付けば福祉業界へ。その巻き込んでいくパワーと仕組みが、非常に素晴らしい。

 

学生の入場時間に向けて、それぞれの法人がゆるゆると準備を進める。この感じは、学園祭の準備に近い感じだ。

 

 

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準備にざわつく会場

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ディスプレイの出来がきになる杉原さん(きたおおじ)

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ディスプレイを考えるリクルーターたち

 

 

 

学生が集まり出す。でも、普段のままの少しキレイ目ぐらいの服での参加が決まりなので、大手の就職フェアとは、異なる独特な空気感が漂う。はやりFace to fukushiらしい。お決まりのスーツ姿の学生はここにはいない。

 

学生が入場してからのオープニングトークはF2F共同代表2人のトークから始まる。だらだらと出てきて、筋書きのない、その場のながれに合わせたトークは、学生たちをリラックスさせる。就職フェアに来た緊張した彼らの心を、柔らかくもみほぐしていくようだ。

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オープニングトーク、ゆるい感じ。

 

 

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そして、30秒のリレートーク。最右が六心会中村亮斗(入職2年目)、リガーレリクルーターとしてリガーレを語った。

 

 

リガーレの3名も登場。余裕をもって話し、笑顔も自然・・・。実はこの3名、「FMH研修」という研修を受講している。FMH研修とは、「福祉(F)魅力(M)発信(H)研修」のこと。この研修は福祉の仕事にはたくさん魅力が詰まっているのに、その魅力を学生へうまく伝えることができずに逃してしまっている現状を変えようとするもので、福祉の魅力を考え言語化し伝えることで新卒採用へ繋げる目的でF2Fが昨秋開催した。当日はこの研修効果が発揮されたという訳だ。

 

メイン会場のブースでは、学生とリガーレリクルーターが入り乱れて、ぶつかり合う。学生は知りたい疑問をぶつけ、リクルーターは伝えたいことを語る。20分というタームの中で、それぞれが伝えようとし、そして得ようとする。

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法人自慢コーナーの打合せ中、杉原さんが気になる様子。

 

そのころ、メイン会場横のロビーでは「法人自慢コーナー」が始まる。研修でトーク力に磨きをかけた3人が学生たちにリガーレを説明。参加者も、時間と共に増えていく。この3人は1年でかなり成長。話す姿に余裕・・というより、もはや貫禄がある。

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立ち位置の間合いが絶妙

 


 

「FUKUSHI meets!」に昨年初めて参加して、その手法に驚いたが、今回もまたいろんなチャレンジが刺激的であった。F2Fの「FUKUSHI meets!」は、その会場全体での一体感が非常に高く、それは参加ブース数(出展法人)が限定されていることもあるが、社会福祉協議会などが主催する就職フェアにはない空気がそこにはあった。

それは企画の段階から当事者である学生がコミットしているためにそれぞれのコンテンツに学生の目線が入っていて、且つまた当日の運営もF2Fスタッフと学生が混ざり合う。このように細部にたくさんの工夫が施されていて、会場の空気感が自然に醸成されていた。そしてその空気が、学生も出典者もそれぞれがいい意味で気取らず伝え合う、そんな関係性作りに一役買っているように感じた。

 

採用対象の学生は、毎年変わり、その傾向も変わり続ける。採用活動には、最終の正解があるわけではないが、福祉のステキさが来場した学生の心へ響き届いて、一人でも多くこの業界へ来てくれることを願うばかりである。

リガーレリクルーターのみなさん、コンシェルジュの3名、杉原さんはじめきたおおじのみなさん、当日まで一緒になって考えてくれたリガーレのみなさん、F2F事務局のみなさん、本当にありがとうございました。

 

(社会福祉法人六心会 法人本部長 南出浩次)

 

 

社会福祉法人が連携し、仕事やそこで働く人が見える学生向け1日限定カフェをオープンした。

学生たちへメッセージを送りながら考えた社会福祉法人の姿。

リガーレグループとして各種調整を担当した南出氏(六心会)がリポートする。

 


 

2/22、1日だけオープンした「フクシゴトカフェ@京都」

(京都キャンパスプラザ)。

これは、旧知の社会福祉法人が集まり、1日だけの「カフェ」をオープンさせ、そこで学生たちへ福祉の仕事や働くパーソナルのリアルを伝えようとするもの。参画したのは、南山城学園、みねやま福祉会、嵐山寮、福知山学園と社会福祉法人グループリガーレ。3月1日の就職活動解禁前に、Face to Fukushiの企画協力を得て、実現した。参加学生は80名。

大切にしたのは、「カフェ」という会場のリラックス感。参加法人のスタッフが丁寧に淹れた珈琲としっかりと時間をかけ抽出した紅茶の香りが会場を包んだ。

 

 

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珈琲と紅茶を淹れるスタッフ

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まずはオープニングトーク「福祉最前線!」。各法人から「これ!」という取組みのリレープレゼン&トークショーで、各法人の次世代リーダーがステージへ上がった。リガーレからは、きたおおじ施設長杉原氏が「超える」というキーワードでリガーレを説明、法人の枠を超えるリガーレの取組みと施設を超えて地域に飛び出していくきたおおじの取組みを紹介、興味を持った学生もあり、フリータイムに杉原さんを呼び止め話している姿を目にした。

 

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オープニングトークをする きたおおじ施設長 杉原氏(右から2人目)

 

 

オープニングトークの次は、ブース(テーブル)型説明会。ここでは学生へ直接、社会福祉法人で働くスタッフが働き方や暮らし方のリアルを伝える試み。今回の目玉企画である。ポイントは法人毎ではなく、テーマ(下記)毎にブースを設定したということ。個々の法人PRよりも、実際に働く人を各テーブルに座ってもらい、生の言葉で「福祉現場で働くこと」を伝えたかったからである。

 

設けたブースとリガーレのメンバーは下記のとおり。

 

① 障害支援ブース

② 高齢者支援ブース・・・井出温子さん(緑寿会)

③ 子ども支援ブース

④ 内定者ブース・・・4月きたおおじ入職の内田達也さん(リガーレ暮らしの架け橋)

⑤ 若手職員ブース

⑥ 人事担当ブース・・・南出浩次(六心会)

⑦ 趣味と仕事ブース・・・加賀爪亮太朗さん(端山園)

⑧ 人間関係ブース・・・藤田智美さん(六心会)

⑨ ライフスタイルブース・・・清水和弥さん(はしうど福祉会)

 

 

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井出さん(中央左)

 

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内田さん(中央)

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加賀爪さん(中央右)

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藤田さん(中央)

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清水さん(右)

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南出(右から2人目)

 


 

学生が知りたいのは、やはり直前に控える就職活動にむけてどのような準備が必要かということ。私が担当した人事担当ブースの学生はもとより、リガーレ内定学生の内田さんが入った内定者ブースでも、そのあたりに話題が集中した様子であった。

例えば、

・履歴書を書くときに気を付けるべきことは?

・面接では、何を基準に選ばれるの?

・どのように就職先を選んだの?・・・などなど

 

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後列左から、加賀爪さん、南出、内田さん、清水さん    

前列左から、井出さん、藤田さん、杉原さん、伊東さん


 

ただ、この日カフェに集まった学生は、現実的な課題に対する答えを求めると同時に、意識の高い学生も多く集まったように思う。例えば、大学でしっかりと福祉を学び、人口減少や少子高齢化という時代のうねりの中で、自分たちにできることは何か、を意識するような・・・。

来場した多くの学生は1996年頃の生まれで、デジタルデバイス発展の歴史と共に育ってきた世代。斬新な発想で福祉や地域づくりにイノベーションを起こしたい、自分にできることを精一杯したい、そんなマインドを持つ学生が就職し、そしてイキイキと働き続けられる社会福祉法人は、どのような社会福祉法人だろうか。

地域課題へ向き合い、そこへのチャレンジを惜しまない社会福祉法人、そしてチャレンジし続ける社会福祉法人だろうか。学生たちと会話しながら、そんなことを考えさせられた1日だった。

 

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Face to Fukush事務局のみなさんへの感謝、その企画実行力に脱帽すると共に、一緒に参加した社会福祉法人のみなさん、共に語ったリガーレのメンバーに感謝したいと思います。

ありがとうございました。

 

(社会福祉法人六心会 法人本部長 南出浩次)

「リガーレ責任者会議」とは何か

リガーレグループでは、グループの方向性・ベクトルを定めていく場として幾つかの会議が存在するが、各法人ケアチーム統括者が一堂に会し、議論する場が「リガーレ責任者会議」だ。

六心会からは、部長の辻が参加、「毎回、とても刺激を受ける」という。

 

会議がスタートして2年余り、リガーレグループの活動、そして各法人の実践へどの様な影響をもたらしているのか、そして、ケアの統括者は何に悩み会議で何を話しているのか、会議参加者10名に現状を語ってもらった。

 

 

語った方

杉原優子さん (リガーレ暮らしの架け橋、きたおおじ施設長)

西村優子さん (リガーレグループ スーパーバイザー)

村田麻起子さん (リガーレグループ スーパーバイザー)

伊東典子さん (端山園いまくまの)

戸石和子さん(はしうど福祉会)

坂田耕三さん(松光会)

百目鬼浩子さん(端山園)

岸田光彦さん(緑寿会)

覗渕八重子さん(北桑会)

辻 薫(六心会)

 

 

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始まりの経緯はどうでしたか?

 

杉原

各法人ケアの統括者それぞれが気軽に意見を言い合い、考えや視点を標準化していくことが大事だということで、2014年6月に始まりました。

当初は代表者の理事長の集まりが定例で開催されていて、一方で各法人ケアの現場はスーパーバイザーの巡回があって現場も代わろうとしていたし変わりつつあったとき。

 

それぞれの理事長も同じ思いで現場もよくしていきたいと考えていたけれど、理事長自身が現場に関与する訳にもいかず、ケア現場の統括者がリガーレグループとして一堂に集まってケアやケアチームの質、組織の在り方を一緒に考える場が必要となった、こんな経緯だったように思います。

 

村田

経営が異なる法人の集まりだけど、リガーレとしてケアやケアチームの質をきちんと語る場が、相応の立場の人が集まってする必要があったように思いますね。

 

西村

私たちスーパーバイザーの巡回も軌道に乗り始めて、ケアに関して法人を越えて横串を刺すような場が必要だと、山田代表は言ってましたし、私たちもそう感じていました。

 

始まって2年が経ちますが、会議の意義は何だと思われますか?

 

百目鬼

参加して感じることは、どの法人・施設も同じような悩みを抱えているということ。その中で、参加する皆さんが意見を出し合い、アドバイスを貰い参考になる。課題解決への視点を学ぶ意義があるように思います。

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戸石

自分の法人や施設だけで考えるのには限界があって煮詰まるときがあります。地域でいろんなところとつながりはもっているが、リガーレの責任者会議での議論は、ケアだけでなく、毎日ケアを展開するチームの質、その組織性の重要性へも導かれる、そんな印象もあります。

 

会議へ参加することで毎回多くの学びがあり、施設長と現場主任の狭間の、自分の役割を再確認する場ともなっています。

 

私の場合は、定期開催される責任者会議で、前回以降の自己ワークを報告することで、月次の振り返りができています。振り返ることで、改善されてきたこと、これから改善すること、少し長い視点で継続していくことなどの課題が浮かび上がってきます。

 

自分自身の振り返りであると共に組織全体の課題も、その捉え方に自分だけでの視野では限界があるけれど、参加者の視点も含めて他者の視点での再整理という意義は大変大きいですね。

 

巡回に来られるスーパーバイザーと現場を離れたこの責任者会議の場で、課題共有することで、改善の方向性をつかむ足がかりにもなっています。スーパーバイザーから、できていることへの評価をしてもらえたときは素直に嬉しいですし、新たな課題へ挑む気持ちをもらえる場です。

 

岸田

責任者会議は、私にとって、リガーレが持っている方向性を再確認し、自施設のケアについてぶれていないか確認する場。課題に対して、乗り越えようとしているメンバーの話を伺い、発想のヒントを学んでいます。こういう風な考え方もあるんだな、と。自施設ではどう取り組めるかなと「鏡」のように考えています。

 

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覗渕

日頃、仕事をしているとしんどくなったり、消極的になったりします。でも責任者会議に参加することで引き上げてもらっています。

責任者会議で得たことを、自分の施設だけでなく、法人に持ち帰る役割であると意識しています。

 

伊東

責任者会議のメンバーはみんな現場を背負っていて、日常はそれぞれが異なるけれど、リガーレとしての方向性が定まってきたように感じます。

 

坂田

責任者会議への参加が自仕事の区切りになっていて、我が施設の課題整理の場にもなっています。悩みは尽きませんが、責任者会議メンバーも同じような悩みを抱えておられることも分かり、気持ちが救われるような気もしますね。

目の前のこと、そして少し長期的に目指すべき事などと課題整理ができることもあり、日常の仕事では見えづらいことも、責任者会議の参加を通して考えられています。

 

西村

役職がついて、立場が上になればなるほど、愚痴れないし、話す場もない。

 

この場で悩みを話すことで、同じような立場の人からアドバイスをもらえることは、この責任者会議の役割ではないかと思います。

 

村田

現場では渦中に入っていて見えないことが、責任者会議の場で1ヶ月どうだったか俯瞰してみられる場ではないでしょうか。

 

定期開催なので、メンバーから「この1ヶ月は・・」という報告になってきていますね。

 

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杉原

他の施設の強みも見えてくる。例えば、人材育成の課題でも派遣職員が活用出来る地域とそうでない地域、京都市内とそれ以外の地域も事情が異なる。弱みだけでなく、他の法人・施設の強みを認識することが大切だと思う

 

村田

リガーレの目指すべき方向性があって、そこと各現場のつなぎ役というか、統括責任を持っている人たちが、スーパーバイザーの存在も理解し、統一研修を受けているメンバーもわかり、そのつなぎ役として、それぞれの法人・施設が抱える課題解決に向け、責任者会議のメンバーが重要な役わりをしているように思います。

 

おわりに

法人・施設を越えて、ケアの本質を語れる場は、そう多くない。現状がどうであろうと常に「いいものにしていきたい」という責任者やスーパーバイザーの持つ「熱量」がこの会議のエンジンだ。

 

会議で得た「少し高い視点」をそれぞれの地域に持ち帰り、ケアへと展開させる各法人責任者の役割は重いが、発言を自由に促しながらベクトルを合わせていくという責任者会議の手法は各法人や施設のミドル階層との会議にも充分に活用できる。

 

これからがリガーレグループの正念場、楽しみながらこの会議も深め、進化させたい、そう感じた。参加者のみなさん、ありがとうございました(杉原、辻)。

 

「泥亀汁」という料理をご存知だろうか?江戸時代、近江商人の昼食などに供されていた近江に伝わる郷土料理だ。しかし、地元飲食店でもメニューになく、生まれ育ったのは地元というスタッフも食べたことがないという。

 

社会福祉法人グループリガーレで開催した「めぐる-つたえる-つながる おもてなしバスツアー」の饗応として、地元でも殆どの人が食べたことがない幻のメニューの再現に、六心会管理栄養士小森管理栄養士が挑み、その雑感を語ってもらった。

 

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(写真 左から、小森さんと平居さん 管理栄養士コンビ)

バスツアーの打ち合わせ段階から、近江の郷土料理で歓迎したいという声があがり、江戸時代からこの辺りに伝わる「泥亀汁(どろがめじる)」を準備してみてはどうか、ということになった。しかし、地元で生まれ育ったスタッフに「どんな汁もの?」と尋ねるも「食べたことがない」と言う。

そこで、管理栄養士でもある私がメイン担当として準備にあたることとなった。

 

そもそも「泥亀汁」とは何なのか?インターネットや郷土の書籍等で調べてみると、いろいろとわかってきた。近江商人は京都、大阪、江戸など他地域で店を持ち、主人は一年の大半を他地域で暮らした。本宅は留守を預かる妻と子ども、女中や丁稚、男衆なども含めると多い時で25人から35人が生活をし、昼食は一斉に食べる。五個荘は、農村地で具材の茄子も一定量が入手しやすく、夏お昼ご飯に供されていたのが泥亀汁だった。夏の暑さに負けないよう胡麻もふんだんに使われた。

出汁が染み込みやすくなるように茄子に格子状に切り込みがいれてあるのだが、その姿が泥の中に佇む亀のように見えるため、この名がついたそうだ。

 

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( 泥亀汁の堂々とした亀甲文様 )

 

調理方法も調べる。地元在住の方に尋ねるも「知らない・・・」という返事。インターネットのレシピを参考に調理した。

 

材料は至ってシンプル、茄子を胡麻油で焼くと書いてあり、茄子を美味しく食べるためにひと工夫されていることに感心した(茄子の素焼きをしないレシピもあるようだ)。

胡麻は煎り胡麻を擂(す)り、良い香りを立たせる。味噌は白味噌が多いそうだが、今回は白味噌と合わせ味噌を使った。最後に煎り胡麻を浮かべ完成。

一杯には胡麻が大さじ2杯も入っている。基本はシンプルなレシピだが、茄子を胡麻油で下焼きしたり、煎りごまを使ったりと、手間をかけ丁寧な作り方をしているからこそ素材の風味が引き立ち一層美味しくなる。昼食にしては手間入りな一品だと感じた。

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(仕込み中の小森さん)

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今回レシピにはなかったが、胡麻の風味と汁のとろみ感を少し出すために練り胡麻を加えた。練り胡麻のコクがでて胡麻の風味が増した。とろみを出すために、胡麻を擂る際に白粥かご飯を足すこともあるという。また、少しとろみが付くことで摺りごまがまとまり、汁が飲みやすくなる。むせやすいお年寄りにも適している献立だ。

 

今回、泥亀汁に挑戦し、21世紀の五個荘住民には全く馴染みがない料理だと改めて知った。では、なぜ江戸時代では盛んに食べられていたものが今となっては幻の郷土料理となってしまったのだろうか・・・。私なりに想像してみた。

①近江商人本家の変化

近江商人本宅の使用人、丁稚たちが昼食時に食べていた。近江商人も時代の流れで本宅で暮らしていたこれら使用人たちがいなくなり、存在が薄れていったのではないか・・・。

②手間要りのレシピ

単なる味噌汁ではなく、調理工程に非常に手間が掛かる。これは実際に調理してみて一番に感じたことだ。たっぷりの胡麻を煎り、すり鉢で擂る、この手間だけでも、現代の生活では気合いが必要となる。この一手間で香りと味が引き立つが、この手間をかける調理法が敬遠され、廃れていったのではないか・・・。

③ネーミング

お世辞にも「泥亀汁」というネーミングが、美味しい料理をイメージさせない。地域の名物になるためには、「香り立つ、美味しい」を起想させる命名は重要だ。ちなみに、私は今回の担当で「泥亀汁」という名前が大好きになった。

 

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(おもてなしバスツアーで訪れたみんなで食し、大好評だった)

 

泥亀汁、基本は味噌汁だが侮ってはいけない。とても食べごたえもあり、作るのなら良質の素材で手間と時間をかけ丁寧に作りたい。献立のメイン料理にしたいと思う位の料理だった。五個荘商人の血を受け継ぐ現代の町で、どこの家庭でも普通に食される料理として馴染みのあるものにできないか・・・、心からそう思った。

貴重な体験をサポートをしてくれた施設長や平居さん、ありがとうございました。

小森千晶(地域密着型特別養護老人ホームきいと 特養生活課長・管理栄養士)

人材採用広報として、「就活をする学生と接しながら僕の昭和な感覚に愕然とした・・・」「こんな感覚で、学生たちに何か伝えられるだろうか?」

もっと、やわらかく、しなやかに、伝えていくにはどうしたら良いのだろう(南出)

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杉原優子(以下・杉原)  私の知るある京都の学生が社会福祉を勉強する中でしんどくなり、しばらく大学を休んだことがありました。「そろそろ学校にも行かないと・・・」と本人が感じていたころ、偶然にも私の担当する授業へ聴講に来てくれたんです。そして授業後につかつかと寄ってきて言ったんです。「杉原さんの話を聴いて救われました・・・」と。

 

南出浩次(以下・南出)  彼女心に「何か」が響いたんですね。杉原さんはどんな話をしたんですか?

 

杉原  クライアントとのエピソードを話しただけなんです。それも生っぽい話をしただけです。これからの日本は・・・とか、社会保障とか制度とか、みたいな話はしてないんですよ。

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南出  なるほど・・・。その作られていない現場のエピソードが彼女の気持ちに届いたんでしょうね。私も、最近滋賀の福祉系学部の3回生と話していたんですが、どんなところに就職したいの?と尋ねるてみると、「介護より他の福祉分野が魅力的なんです」とはっきり言うんですよ。少し、掘り下げて聞いてみると、「社会保障論」では、財源の話になり介護保険や介護職の将来はない、とても暗いように感じたり、介護の勉強イコール認知症のイメージがあり、暗くなってしまうみたいなんです。

 

杉原  確かに大学の授業には、福祉の理想を求めるあまり、現行の制度批判の部分があり、それはそれで必要なのだけど学生のモチベーションを下げているのかもしれないですね。私の授業で、介護現場でのちょっとしたエピソードやその時に感じたことなど話すことも多く、それが割とリアルな形で、先ほど言った彼女の気持ちにも少し響いたのかも知れませんね。

 

 

南出  今、実際に介護の現場で仕事している人たちの面白みや、やりがいを学生に伝えられるといいですね。本当の「介護のリアル」みたいな・・・。

今の学生は「作られたもの」「本当でないもの」には敏感に反応するような気がします。それと、私たちの仕事は営利目的ではないので、そこの「ジレンマ」や「悩み」も持っていますよね?

 

杉原  そうですね。そのリアルさ、きれいなことばかりではなくて、割とドロッとしたことも含めて、「介護のリアル」、「豊かさ」のようなものを学生の気持ちに届けられたらいいですね。

今きたおおじで新規事業、新しい施設を計画しているのですが、一つの施設ができるまでにはたくさんのことを考えて、決めていかなければなりません。そのようなプロセスをいろいろな人の意見を聞きたくて、ワークショップ形式にしようと思っています。そこには、学生さんの参加も大歓迎です。

 

南出  それは面白そうですね。学生さんには、リアルな勉強の機会になりそうですね。私ものぞきに行きたいな…。でも、そこでは住民さんからガチンコで異論を言われたり、意見がぶつかり合う、分かり合えない場面のようなシチュエーションもありますよね?どうしますか?

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杉原  そこも含めて地域や地域住民とどのように向き合うか、私たちは何を大切にして仕事をしているのか、これから何を基軸に仕事をしていくのかみたいなことも学生と共有できたら最高ですね。それと信じた事業の成功に向けて諦めない姿というか、そこも開示していきたいですね。

人の生活や暮らしって、いろんなことがあって、キレイもそうでない面も、清濁併せ持ってますよね。支援もその生活や暮らしに添ったものですから、その清濁両方の「豊かさ」を学生や求職者に伝えられたらいいなと思っています。

 

南出  介護の仕事は、地域に開かれていく流れです。地域の人や学生とともに、「地域の暮らし」を考えながら作り上げていく事が、福祉、そして介護の仕事の魅力を発信していくことにつながるのかもしれませんね。

 

 

リガーレ統一研修が読売新聞に紹介されました。

社会福祉法人グループリガーレで取り組んでいます統一研修が読売新聞に掲載されました。

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